日本で学ぶ


日系スカラーシップ留学体験談~幸坂さん

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どうして日本へ留学しようと思ったのですか?


大学を卒業後、大学の研究所で仕事をしながら、生まれ育った日系移住地にある旧JICA研究所(現在は農協が運営)との共同研究やワークショップなどを行えたらと考えていました。しかし、当時の日系人移住地は閉鎖的でパラグアイ社会と交流を持つ事を望まれていませんでした。そんな時JICAの日系研修に興味を持ち、日本で更なる専門知識を得たいと思い来日しました。


日本での生活はどうですか?


当初は、来日前にこうだと思っていた日本人像は実際の日本人と異なっていたという事に戸惑いました。日本語を話し、名前や容姿も日本人である事で日本人が示すであろう応答を求められる事や、異なっていた時の拒絶反応などが辛く悩んだ時期もありました。ある時、外国生活が長かった方が掛けてくれた言葉(あなたは日本人ではないのだから日本人に好かれようとしなくて良い)に救われあまり気にならなくなりました。 また、博士課程からは日本財団・日系スカラーシップを頂き学び続ける機会を与えて頂きました。日本財団や海外日系人協会の方々は海外経験された方が多いからなのか、私たちを理解しようとして下さっている事が伝わってきます。この様な暖かい心の支えは、日系人であって日本人ではない私たちにとってはとても心強いです。研修や交流などの機会もありとてもありがたい機会を頂いているのだと実感しています。


どのような勉強・研究をしていますか?


現在は植物病理という分野で植物が病原体に対して出す抵抗応答の研究をしています。植物は人間や動物と違い移動する事ができません。よって、防御応答も違ってきます。進化の上で植物は様々な病原体を認識できる様になり時には共通の防御で応答し、ある時には特異的な防御で応答します。現在私が携わっている研究では植物は病原体であるカビを認識すると抗菌物質を合成しカビの広がりを抑える事がわかってきました。また、この抗菌物質は様々な侵入メカニズムを持つカビに対して同じ様に誘導されます。この様なメカニズムを持ってなぜ侵入され感染してしまう植物もあれば全く感染されないものもあるのかという事が明らかになります。


留学を通して、日系人としての意識が変わりましたか?


大きく変わったと思っています。日系人は外国の文化を取り入れた日本人ではない事です。容姿は似ていても物事の感じ方や捉え方は異なるのではないかと感じています。しかし、これは日系何世かで異なるのではないかと思います。 日本へ来て本当に良かったと思えるたくさんの中の一つは、自分が思い描いていた日本人も存在するという事。そして、人を思いやる気持ち、物を大切にする事や暖かみのある方と出会えた事で私はこれらを持ち続けられる日系人になりたいと思うようになりました。


将来の夢は?


来日当初は日本で学んだ事をパラグアイで活かしたいと考えていました。しかし、研究を進めていきたくさんの人と出会ううちに少し当初の考えが変わってきました。現在感じる事は、即帰国し学んだ事を活かすという貢献よりも更に経験を積み、力をつけ持続的な貢献に繋げる事こそが農業大国であり、今後更に課題や難関を迎える事が予測されるパラグアイや南米では必要なのではないかと感じています。


これから留学を考えている人へメッセージを!


日本は数少ない努力をとても評価してくれる国だと思います。研究を行っていく上では様々な課題が出てきます。特に卒業するには論文が必要な博士課程では焦ってしまします。しかし、日本人の多くの先生は努力が形になるように導いてくれます。また、母国を離れて一番遠く、簡単には帰国できない国で学ぶからこそその課程で学ぶ事は学業以外にもこれからの人生で必要な事を沢山学べる場であると感じています。専門的な知識はもちろん、もっと大事な事も学べ、大きく成長できる貴重な機会だと思います。


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