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日系子弟のための日本語教育実践交流会
平成18年11月26日(日)JICA横浜にて
テーマ:言語・文化継承の課題解決に向けて

全体問題提起

佐々木倫子先生

「日系の子どもが直面する現実−周囲のおとなが今出来ること・すべきこと−」

佐々木倫子(桜美林大学大学院教授)

現在「日系」と呼ばれる人たちは、かつての集団移住から個人移住への移動形態が変化してきたこと、また、国内外の国際結婚の様々なケースなどが増えたことから多様化してきており、定義が難しくなってきている。こうした日系の子どもたちを取り巻く環境について、今回は、1)「家庭」、2)「学校」、3)「地域」、4)「行政」の4つの領域から課題を洗い出し、解決の糸口をさぐっていきたい。

1)「家庭」について。家庭が10あれば10通りの要因のからまり合いがある。父母間で母語が異なる場合、親子間で出生・成長期の居住国が異なる場合、親子間で言語・文化が異なる場合、家族構成から生じる教育環境差、親の言語、文化の志向性、家庭の人間関係の安定性、経済問題などは共通点の多い問題ではないか。

2)「学校」について。国内の南米系外国人保育施設・学校の場合は、その基盤の弱さがあげられる。本国政府の許可、支援の取り付けや、日本の各種学校の認可取得、助成金の取得など、本国・日本両面からの基盤強化が必要である。また、設備・カリキュラム・教員資格・学校管理業務の質、日本の教育制度との連携の弱さも問題となっている。日本の公立学校の場合は、外国人の子どもが来た場合の母語での生活指導と学習指導、日本語の学習、とくに学習言語能力習得への支援充実、教科学習への支援、日本の学校文化への適応能力の育成、逆にマジョリティーへの多文化共生教育の充実、母語・母文化保持活動への協力関係、企業との協力関係、連絡の円滑化、地域との連携による個別支援の充実などが求められる。

3)「地域」については、言語サービスの充実による情報提供、学校との連携による日本語及び教科学習、生活支援、外国人コミュニティーによる母語継承語教育への支援。マジョリティーへの多文化教育などが求められる。

4)「行政」については、先日行われた外国人集住都市会議の提言内容を挙げたい。まず、子どもを就学に導くための具体的なガイドライン、外国人集住地区への保育園・幼稚園への日本と外国双方の教育制度や文化に熟知した人材の配置支援、JSLカリキュラムの改善と普及などを国が考えてほしいといったことが出された。また、県への提言としては、外国人児童生徒の背景を理解したスクール・ソーシャルワーカーを配置することなどが挙げられ、経済界へは、外国人従業員に対して日本の教育制度を説明するような支援、企業で外国人従業員に対して子どものスムーズな就学についての啓発ができるような支援などの提言がなされた。

今日は自分たちに何が出来るか、出てきた課題への解決のアイディアを持ち寄ることを行いたい。

(要約)


 
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