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ニッケイ・ネットワーク/海外日系人協会便り No.15(2012年12月)

 

目次

 

P.1

第53回海外日系人大会開催
「共に歩もう日本再生の道」テーマに24の国・地域より149人

 
P.2 グラフ-第53回海外日系人大会  
P.3

幼児期の継承教育に抱負語る
JICA日系研修員幼児教育コースで中南米から5名が来日

 
  CIATE二宮理事長に厚労大臣表彰  
P.4 CIATE創立20周年記念~日本と日系移民の関係の新しい潮流(3)~

CIATE理事長

二宮正人

日系人の日本への出入国の動向について
P.5 相談センター便り -最近の相談事例から- 日系人相談センター
所長 西山 巖
 深まる日本生活で直面する問題
P.6 日系社会Topics  
 
   

 

第53回海外日系人大会開催
「共に歩もう日本再生の道」テーマに24の国・地域より149人
外務大臣主催レセプションにオリンピック・メダリストも参加

 

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常陸宮同妃両殿下御臨席の下行われた歓迎交流会で挨拶する山田啓二海外日系人協会会長

  

第53回海外日系人大会が、去る10月30日より11月1日までの3日間、東京都千代田区永田町の憲政記念館、JICA市ヶ谷ビルで行われた。

昨年のテーマ「強めよう日本との絆-国難に立ち向かう日本と海外日系社会」に引き続き、本年は「共に歩もう日本再生の道-問われる海外日系社会の課題」を総合テーマに、参加国数では第51回の24カ国に並ぶ23カ国1地域より149人の参加があった。

初日の26日には、「東日本大震災特別報告会」が行われ、被災した岩手、宮城、福島の3県より、被災の状況と復興の現状と計画について発表が行われ、昨年来、海外日系社会が、様々な活動を通じて行った被災地への支援や義援金に対する謝意を述べると同時に、「引き続き復興を見守って欲しい」「震災の記憶を風化させず忘れないで欲しい」等訴えた。

歓迎交流会には常陸宮同妃両殿下が御臨席になり、参加日系人と親しく懇談された。2日目の代表者会議は、「日本文化と日系社会」、「在日日系人」、「日系ユース」の3テーマによる分科会形式で行われ、①日本文化と日本語教育の一層の推進、②重国籍の容認、③一世の『日本里帰り事業』に感謝、④在日日系人への支援、⑤日系ユースによる身近な日本文化の共有と日本との交流促進、⑥海外移住資料館への期待、を項目とする大会宣言が承認された。代表者会議に出席しない参加者はオフィシャルツアーで、完成した東京スカイツリーの展望回廊からの景観を楽しんだ後、巣鴨を散策、明治神宮で奉納の舞いを見学した。

同日夕刻は2年連続となった玄葉光一郎外務大臣主催による歓迎レセプションが外務省飯倉公館で行われ、玄葉大臣の挨拶の後、20年オリンピック・パラリンピック日本招致議員連盟会長代行の橋本聖子参議院議員が挨拶、ロンドンオリンピックで、銅メダリストとなった陸上の室伏広治選手、水泳の立石諒選手もレセプションに参加し、参加者との記念撮影に応じていた。翌日の全体会議では、大会宣言に、⑦20年オリンピック・パラリンピックの東京招致を応援、が加えられ採択された。

最終日、全体会議のプログラムとして行われた、3回目となる「在日日系人こども発表会」は、茨城県常総市のブラジル人学校エスコーラ・オプションから、小学校の部、中学校の部、高校の部それぞれの代表が自分の将来の夢について日本語のスピーチを行った。横路孝弘衆議院議長、平田健二参議院議長主催による昼食会が行われ3日間の大会の幕を閉じた。

 

 
幼児期の継承教育に抱負語る  
JICA日系研修員幼児教育コースで中南米から5名が来日

当協会が企画・実施するJICAの日系研修・集団コース「幼児教育」で、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビア、メキシコから研修員5人が、12月2日に来日した。2月下旬まで専門分野の講義と、橫浜、鎌倉市内の幼稚園での実習、地方視察よる研修が行われる。

研修員たちは、母国で日本語学校の幼児部、日系幼稚園、日本語コースも選択できる高校までの一貫校で幼児教育に携わってきた経歴を持つ。南米日系社会では次世代への日本語の継承が課題だが、幼少時の日本語との関わりがその後を左右する。研修目標に日本語を含む「継承教育」を掲げる研修員は多い。

アルゼンチンの小川・エリカ・リリアナさん(37)はブエノスアイレスから直線距離で約800㎞に位置するオベラ市の日本語学校の幼稚部で週1回教師を務める。本職は州立幼稚園の教諭だ。「日本語を使うことが少ない子ども達にどのように日本語学習の環境を作るか学びたい」。同じくアルゼンチンの宇都宮テレサさん(24)はブエノスアイレス市郊外のサルミエント日本語学校で3~6才児を指導している。「歌、折り紙、絵など、発育期のこどもの興味を引くテクニックを学びたい」と語った。

パラグアイの鈴木春花さん(22)、ボリビアの新城久乃さん(24)は、ともに日本人移住地の日系幼稚園に勤めている。「子ども達の日本語能力が低下している」ことも共通した認識で、「遊びやお話ゲーム等を通して自然に、楽しんで覚えてもらいたい」(鈴木さん)「少ない教材でどのように子ども達の興味を引くか」(新城さん)とそれぞれの課題に取り組む。

メキシコの日墨学院は幼稚部から高校までの一貫校。幼稚部で園長を務める中島真由美さん(46)は、在メキシコ13年の一世。日本の幼稚園教諭の資格も有している。園での使用言語は、スペイン語、日本語両方だが、「メキシコ人園児の保護者からも、日本語を取り入れることの要望が多い」と話す。「日本の良い習慣、片付ける、時間厳守、計画をもって保育にあたる等をメキシコ人職員にも浸透させ、利点を納得して取り入れてもらう」ことが課題と言う

 

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左から鈴木さん、新城さん、宇都宮さん、小川さん、鈴木さん