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ニッケイ・ネットワーク/海外日系人協会便り No.8(2011年3月)

 

目次

 

 

P.1 平成22年度 在日日系人のための生活相談員セミナーを実施(名古屋、横浜)
出稼ぎ25年 経済好調のブラジルと変わりつつある?日本国民の意識
進む外国人住民受入基盤の整備
 
P.2 南米4カ国から日本の幼稚園で体験実習
みなとみら日本語教室  JICA横浜で好評実施中!
 
P.3
就労準備研修22年度が終了、来年度も継続へ
 
P.4 ブラジル便り⑧  
 NIATRE(帰伯労働者就労情報支援センター)開設
P.5 相談センター便り -最近の相談事例から- 日系人相談センター
所長 西山 巖
 社会保険三題
P.6 日系社会Topics  
   第8回海外日系文芸祭作品募集開始! ハワイ日系人の歴史正しく知って! 他
  ≪賛助会員便り≫ 佐藤彰純さん(東京都海外移住家族会)
 

 

平成22年度 在日日系人のための生活相談員セミナーを実施(名古屋、横浜)

出稼ぎ25年 経済好調のブラジルと変わりつつある?日本国民の意識

進む外国人住民受入基盤の整備


 1月26日愛知県名古屋市のJICA中部と、2月4日JICA横浜で、「平成22年度在日日系人のための生活相談員セミナー」が行われた。当協会が主催し、平成15年度より毎年実施しているもので、都道府県や市町村におかれた外国人相談窓口担当者が、専門知識や最新の情報を得、必要な情報を共有し、業務のスキルアップを図ることを目的としている。

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基調講演で参加者の質問に答える二宮教授(JICA中部)

 

 2008年秋のリーマンショック以降、それまで定住化傾向にあった南米からの日系人は、不景気で職を失い約7万人が帰国したが、日本に留まった人達は、就職のため日本語の習得に励むなど、定着するための努力をしている。在日日系人社会もネットワーク作りに着手し団体を立ち上げるなど、それまで「目に見えない隣人」であった自身の存在をアピールし始めた。2010年にはブラジル大使館が主催して「ブラジル人の日本在住20周年」記念イベントを行い、在日コミュニティーを支援する姿を打ち出し、ブラジルと日本との間の社会保障協定も7月に調印された。日本でも内閣府が8月末に「日系定住外国人施策に関する基本方針」を発表し、外国人の受入に対し「国としての体系的・総合的な方針」を示したところである。

 このように大きな動きのあった2010年度といえるが、サンパウロ大学教授で、国外就労者情報援護センター二宮正人理事長は「デカセギ25年。日本とブラジル両国に与えた影響と今後の展開」と題して基調講演を行い、これまで、サンバやコーヒー、カーニバルといった日本国民のブラジルに対するステレオタイプな認識が、在日ブラジル人の存在により変化が起こり、経済再建の成功、ワールドカップ、オリンピックの開催決定により、日本企業の注目度も変わってきていると指摘。在日ブラジル人子女の大学進学、日本での就職が進めば、さらに日本人の認識改善が進み、真に国際感覚を有する人材の輩出にも繋がるだろうと期待を語った。

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講師全員そろっての質疑応答(JICA横浜)

 

■24年より外国人も住基本台帳へ

 午後からの講義では、総務省自治行政局住民制度課外国人制度企画室より、名古屋では竹内悠介課長補佐が、横浜では阿部知明室長が講義し、平成24年7月から施行が予定される「外国人住民に係る住民基本台帳制度について」説明した。現行の外国人登録制度は廃止され、外国人も住民基本台帳法の適用対象に加わることにより、保険、年金、こどもの教育等行政サービスに居住情報が生かされることになる。

■残留日系人、まだまだ厳しい雇用

 厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課野口尚課長は、「最近の雇用情勢と日系人の動向について」、様々な点からデータを駆使し、経済回復は一部回復の兆しが見えるものの足踏み状態であると分析し、その中で苦境に立たされる日系人の姿を浮き彫りにした。そして、これまでの製造業におけるような派遣業者頼みの就労形態は今後あり得ず、異業種進出のためにも日本語習得は不可欠であると結論づけた。

■日伯両国で年金受給可能に

 同じく厚生労働省年金局国際年金課小澤幸生課長補佐は、「ブラジルとの社会保障協定」について、今後は国会提出を経て国内政省令の整備が行われ、外交上の公文を交換した後に発効すると説明。その期間は通常1年~2年かかっており、あと半年から1年半は係る見込みであると述べた。

 6カ月以上の長期にわたって日本で就労し厚生年金を収めている外国人は、帰国後は脱退一時金を請求するしかなかったが、協定が発効すれば、ブラジルで年金支払いの実績がある人は、その期間を通算できることとなり、両国で支払い月に見合った年金の受給ができることになる。

 小澤課長補佐は、さらに両国での年金申請手続きの流れを説明し、今後はブラジルから来日し日本に居住する人たちに対して、脱退一時金や年金の請求ができる人への周知、日本の年金制度への加入促進について取り組んでいくと述べた。

 

 

 

みなとみらい日本語教室 JICA横浜で好評実施中!


 当協会が、JICA横浜の会場提供を受け実施している「みなとみらい日本語教室」は在日外国人のための成人向け日本語教室として、平成16年度より7年の実績を重ねてきた。現在、5月~7月を第1期、9月~11月を第2期、1月~3月までを第3期とし、各期それぞれ能力別にA~Cと3クラス体制で運営している。22年度は、各クラス約7人規模で、メキシコ、ドミニカ(共)、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチン国籍の19才から55才まで、のべ59人が毎週土曜日の授業を受けた。週末の午前中に開講する利便性から1~3期を通して受講する人も多い。12月に実施された日本語能力試験前にはおよそ2カ月間の「対策講座」も実施。受講者の目標をサポートしている。

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Aクラスの授業風景。JICA横浜で

 

 最上級Aクラスの受講生は、メキシコ、ドミニカ共和国、ブラジル、アルゼンチンと多国籍だ。マリア・アンヘリタ・ホシカワさんは在日本ドミニカ共和国大使館勤務。「パラグアイに転住した両親の祖国が見たい」と90年に自費留学で来日。帰国後2000年にドミニカ外務省に入省。マイアミ総領事館勤務を経て08年に日本大使館勤務となり再来日した。日本語をきちんと学ぶ機会がなく「土曜日にやっているクラスを探していた」といい、毎週埼玉県から通っている。「日本語能力試験を目標にがんばりたい」と語っていた。

 平成23年度は5月に開講予定で、受講希望者は随時募集中。

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ホシカワさん